2008年6月5日木曜日
iPhoneが失敗しそうだと思う理由
ネットをそのまま携帯電話に持ち込んだから。パソコン向けに最適化されたネットの技術・仕様や公開されているコンテンツは手のひらサイズの携帯端末に向きそうにない。個人的には携帯端末向けのネットの規格を作っていくべきなんだと思う。
2008年6月4日水曜日
なぜ二重派遣が起きるのだろうか?
業者の側から見てもメリットがなさそうなのに。どちらの業者から見ても他方の業者を排除した方が、その分自分の取り分が大きくなるので得。それにも関わらず二重派遣が行われるのは仲介のコストを上回る利益があるからだろう。その利益っていったい何なんだろう?
2008年6月1日日曜日
国税庁最強伝説
ときは平成8年・・・。
政府「日本の金融システムを復活させるために大胆な不良債権処理しよう。さきがけとして興銀にまず不良債権処理をやってもらおう。」
日本興業銀行(当時)「じゃぁ、不良債権は貸倒れとして会計処理します。あっ、そうだ。貸倒れとして費用計上するんだから、もちろんその分税金減るんですよね?」
政府「うん。」
興銀「じゃぁ、貸倒れっと。」
興銀「うーん、やっぱ一気に貸倒れとして費用計上するのはきついな・・・。まぁ、その分税金減るからいいか。」
国税庁「いや、待った!政府が認めても、俺は認めん!」
政府・興銀「えっ?」
国税庁「こんなものは貸倒れとは認めん!その分税金払え!」
政府「いや、もう少し大局的見地から・・・」
国税庁「だめだといったら、だめだ!」
興銀「・・・」
興銀「こっちは政府の言うことを聞いてやっているのに、それなら裁判だ!」
国税庁「いいだろう。受けてたとう。」
(中略)
東京地裁「興銀が正しいよ」
興銀「よしっ!」
国税庁「まだだ!まだ終わらんよ!」
(中略)
東京高裁「国税庁が正しいよ。地裁の判決はおかしい」
国税庁「フッ、正義は必ず勝つのだよ」
興銀「くそっ、こうなったらいくとこまでいってやる!」
(中略)
最高裁「興銀が正しいよ」
興銀「やった!勝った!」
国税庁「くそ、負けたか・・・」
国税庁「まぁ、いい。今回は裁判所に免じて許してやるか。しかし裁判所が認めても、俺は認めん!今後も同じようなケースは貸倒れとして認めないからな!」
多少脚色してるというのはいうまでもない。
政府「日本の金融システムを復活させるために大胆な不良債権処理しよう。さきがけとして興銀にまず不良債権処理をやってもらおう。」
日本興業銀行(当時)「じゃぁ、不良債権は貸倒れとして会計処理します。あっ、そうだ。貸倒れとして費用計上するんだから、もちろんその分税金減るんですよね?」
政府「うん。」
興銀「じゃぁ、貸倒れっと。」
興銀「うーん、やっぱ一気に貸倒れとして費用計上するのはきついな・・・。まぁ、その分税金減るからいいか。」
国税庁「いや、待った!政府が認めても、俺は認めん!」
政府・興銀「えっ?」
国税庁「こんなものは貸倒れとは認めん!その分税金払え!」
政府「いや、もう少し大局的見地から・・・」
国税庁「だめだといったら、だめだ!」
興銀「・・・」
興銀「こっちは政府の言うことを聞いてやっているのに、それなら裁判だ!」
国税庁「いいだろう。受けてたとう。」
(中略)
東京地裁「興銀が正しいよ」
興銀「よしっ!」
国税庁「まだだ!まだ終わらんよ!」
(中略)
東京高裁「国税庁が正しいよ。地裁の判決はおかしい」
国税庁「フッ、正義は必ず勝つのだよ」
興銀「くそっ、こうなったらいくとこまでいってやる!」
(中略)
最高裁「興銀が正しいよ」
興銀「やった!勝った!」
国税庁「くそ、負けたか・・・」
国税庁「まぁ、いい。今回は裁判所に免じて許してやるか。しかし裁判所が認めても、俺は認めん!今後も同じようなケースは貸倒れとして認めないからな!」
多少脚色してるというのはいうまでもない。
2008年5月31日土曜日
今週の報道特集はひどすぎる
農業保護反対の人間だが、あの内容はどうかしている。それで調べてみるともっとひどかった。
内容はバターを輸入する際に課される関税等の一部が天下り先である独立行政法人に入っていてけしからんという内容。その独立行政法人というのは農畜産業振興機構。バターを輸入するには「加工原料乳生産者補給金等暫定措置法」という法律によって、農畜産業振興機構を通さなければならない。法律ではまず輸入使用する業者はまず農畜産業振興機構に売り、そのあと農畜産業振興機構から買うということになっている。そのときに農畜産業振興機構によって手数料みたいなものが徴収されるのだが、それが天下りの給料の原資になっていてけしからんという内容だった。
見ていて「これはひどい」と思ったのは、その収入のうち8割は酪農家に行くという話があったからだ。約10億円の収入があって、このうち酪農家に行く金額は約8億円らしい。約8割が酪農家に支出されるのだが、報道特集によるとそれでも「ピンハネ」だそうだ。報道特集は公務にかかわるものは自腹で業務をこなせとでもいいたいのだろうか?「これはひどい」といわざるを得ない。
で、調べてみるともっとひどいことがわかった。人件費がかなり低いのだ。「事業報告書」を読む限りバターなど業務については「補給金等勘定」で処理されているので、「その平成18年度分の付属明細書」を見たのだが、人件費はかなり少ない。付属明細書に職員の給料が載っている。87人に対し全体で170,147,000円支払われている。臨時分も含むのでこれを除くと73人に対し159,609,000円支払われている。一人あたり2,186,424円とかなり低い。ただし役員を見る限りその人に支払われた給与全額が計上されているわけではないようだ。補給金等勘定に係る業務に従事するAさんに対する給与が400万円であっても、Aさんが他の業務、例えば畜産勘定に係る業務を行っていれば、400万円という給与を補給金等勘定と他の業務で合理的に分けるという会計処理をしているようだ。だから一人あたりに支払われている給与が200万円とはいえないが、それでもバターの輸入業務に係る人件費は相当低い。あの番組を作った人間は独立行政法人というだけで翼調べもせず、反射的に高給=無駄遣いと短絡的に思い込んだのだろう。ばかだといわざるを得ない。
またこれは憶測でしかないのだが、おもしろいことがわかった。報道特集によれば農畜産業振興機構にはバターの輸入により約10億円の収入があってこのうち酪農家に行く金額は約8億円らしいのだが、この出所がよくわからなかった。それでそれらしいものを見つけた。「補給金等勘定」の損益計算書によると農畜産業振興機構には主に二つの収入がある。「輸入乳製品売渡収入」と「交付金戻入益」だ。「輸入乳製品売渡収入」がバターの売却などによる売り上げだと考えられる。あくまで売上なのでバターの輸入の仲介などによる利益などをみるには原価を引かなければならない。その原価にあたるのは多分「買入費」「保管費」だ。こう仮定して平成18年度分の仲介などによる利益を推定してみると次のようになる。
約10億円になるのだ。仲介などによる利益をこうして計算したと考えられる。あとは酪農家などに対する交付金だが、これは「交付金」から「交付金戻入益」を引いて算出されたと考えられる。「交付金」は酪農家などに対する交付金だろう。「交付金戻入益」はその交付金のうち返却義務があるものが返却された額であると考えられる。これが正しいのであれば、「交付金」と「交付金戻入益」の差額が新たに交付金として支出された額であるといえる。こう考え平成18年度分について推定してみると
となり、約8億円となる。これらは報道特集の数値とほぼ同一であるので、このように推計したと考えられる。この考えに基づき、バターの輸入などの仲介による収入のうち、交付金に使われた割合を各年度ごと推計すると次のようになる。
報道特集が使ったと考えられる推計法を利用すると農畜産業振興機構はバターの輸入などの仲介による収入おりも多く酪農家に交付する交付金を支出していると考えられる。実際平成18年の貸借対照表による限り、累積赤字が75,035,113円ほどある。報道特集では利益剰余金が250億円あるといっていたが、あれは印象操作だ。あの言い方だと「ピンハネ」することにより、莫大な利益を上げているような印象を与えるがまったくの事実無根である。利益剰余金は設立当時からある積立金によって構成されている。積立金は利益から振りかえられるので、利益剰余金の内訳が積立金だからといって利益をあげていないとはいえないという人もいるかもしれない。しかし積立金は設立時には270億円もあった(平成15年分貸借対照表より)。従って現在の積立金は利益から振りかえたものではない。言い換えれば積立金の原資は農畜産業振興機構があげた利益ではない。「ピンハネ」することにより、莫大な利益を上げているのではないのだ。むしろ逆だ。それがいいか悪いかはおいておいて、人件費も低いことを考えれば農畜産業振興機構は身を切って酪農家などに交付金を交付しているといえるだろう。
農業の保護など馬鹿らしいと思う自分ですら、今週の報道特集は脊髄反射的な公務員たたきでひどいといわざるをえない。
内容はバターを輸入する際に課される関税等の一部が天下り先である独立行政法人に入っていてけしからんという内容。その独立行政法人というのは農畜産業振興機構。バターを輸入するには「加工原料乳生産者補給金等暫定措置法」という法律によって、農畜産業振興機構を通さなければならない。法律ではまず輸入使用する業者はまず農畜産業振興機構に売り、そのあと農畜産業振興機構から買うということになっている。そのときに農畜産業振興機構によって手数料みたいなものが徴収されるのだが、それが天下りの給料の原資になっていてけしからんという内容だった。
見ていて「これはひどい」と思ったのは、その収入のうち8割は酪農家に行くという話があったからだ。約10億円の収入があって、このうち酪農家に行く金額は約8億円らしい。約8割が酪農家に支出されるのだが、報道特集によるとそれでも「ピンハネ」だそうだ。報道特集は公務にかかわるものは自腹で業務をこなせとでもいいたいのだろうか?「これはひどい」といわざるを得ない。
で、調べてみるともっとひどいことがわかった。人件費がかなり低いのだ。「事業報告書」を読む限りバターなど業務については「補給金等勘定」で処理されているので、「その平成18年度分の付属明細書」を見たのだが、人件費はかなり少ない。付属明細書に職員の給料が載っている。87人に対し全体で170,147,000円支払われている。臨時分も含むのでこれを除くと73人に対し159,609,000円支払われている。一人あたり2,186,424円とかなり低い。ただし役員を見る限りその人に支払われた給与全額が計上されているわけではないようだ。補給金等勘定に係る業務に従事するAさんに対する給与が400万円であっても、Aさんが他の業務、例えば畜産勘定に係る業務を行っていれば、400万円という給与を補給金等勘定と他の業務で合理的に分けるという会計処理をしているようだ。だから一人あたりに支払われている給与が200万円とはいえないが、それでもバターの輸入業務に係る人件費は相当低い。あの番組を作った人間は独立行政法人というだけで翼調べもせず、反射的に高給=無駄遣いと短絡的に思い込んだのだろう。
またこれは憶測でしかないのだが、おもしろいことがわかった。報道特集によれば農畜産業振興機構にはバターの輸入により約10億円の収入があってこのうち酪農家に行く金額は約8億円らしいのだが、この出所がよくわからなかった。それでそれらしいものを見つけた。「補給金等勘定」の損益計算書によると農畜産業振興機構には主に二つの収入がある。「輸入乳製品売渡収入」と「交付金戻入益」だ。「輸入乳製品売渡収入」がバターの売却などによる売り上げだと考えられる。あくまで売上なのでバターの輸入の仲介などによる利益などをみるには原価を引かなければならない。その原価にあたるのは多分「買入費」「保管費」だ。こう仮定して平成18年度分の仲介などによる利益を推定してみると次のようになる。
輸入乳製品売渡収入 | 6,286,335,338 |
買入費 | 5,144,012,754 |
保管費 | 16,983,590 |
差額 | 1,125,338,994 |
約10億円になるのだ。仲介などによる利益をこうして計算したと考えられる。あとは酪農家などに対する交付金だが、これは「交付金」から「交付金戻入益」を引いて算出されたと考えられる。「交付金」は酪農家などに対する交付金だろう。「交付金戻入益」はその交付金のうち返却義務があるものが返却された額であると考えられる。これが正しいのであれば、「交付金」と「交付金戻入益」の差額が新たに交付金として支出された額であるといえる。こう考え平成18年度分について推定してみると
交付金 | 21,111,999,976 |
交付金戻入益 | 20,259,663,000 |
差額 | 852,336,976 |
となり、約8億円となる。これらは報道特集の数値とほぼ同一であるので、このように推計したと考えられる。この考えに基づき、バターの輸入などの仲介による収入のうち、交付金に使われた割合を各年度ごと推計すると次のようになる。
年度 | 15 | 16 | 17 |
交付金 | 13,366,882,818 | 22,046,239,906 | 21,319,999,980 |
交付金戻入益 | 10,285,214,000 | 20,054,641,000 | 19,292,560,000 |
新規交付金 | 3,081,668,818 | 1,991,598,906 | 2,027,439,980 |
輸入乳製品売渡収入 | 4,871,423,782 | 7,613,207,353 | 5,089,759,031 |
買入費 | 2,437,665,952 | 4,601,808,443 | 3,628,801,608 |
保管費 | 23,653,421 | 50,975,762 | 15,588,280 |
仲介による収入 | 2,410,104,409 | 2,960,423,148 | 1,445,369,143 |
交付金に使われた割合 | 127% | 67% | 140% |
報道特集が使ったと考えられる推計法を利用すると農畜産業振興機構はバターの輸入などの仲介による収入おりも多く酪農家に交付する交付金を支出していると考えられる。実際平成18年の貸借対照表による限り、累積赤字が75,035,113円ほどある。報道特集では利益剰余金が250億円あるといっていたが、あれは印象操作だ。あの言い方だと「ピンハネ」することにより、莫大な利益を上げているような印象を与えるがまったくの事実無根である。利益剰余金は設立当時からある積立金によって構成されている。積立金は利益から振りかえられるので、利益剰余金の内訳が積立金だからといって利益をあげていないとはいえないという人もいるかもしれない。しかし積立金は設立時には270億円もあった(平成15年分貸借対照表より)。従って現在の積立金は利益から振りかえたものではない。言い換えれば積立金の原資は農畜産業振興機構があげた利益ではない。「ピンハネ」することにより、莫大な利益を上げているのではないのだ。むしろ逆だ。それがいいか悪いかはおいておいて、人件費も低いことを考えれば農畜産業振興機構は身を切って酪農家などに交付金を交付しているといえるだろう。
農業の保護など馬鹿らしいと思う自分ですら、今週の報道特集は脊髄反射的な公務員たたきでひどいといわざるをえない。
登録:
投稿 (Atom)